カイちゃん:Mix
症状:前十字靭帯完全断裂
膝の安定性に重要な役割をしている前十字靭帯が断裂すると、下の写真のように大腿骨に対して脛骨の前方変位が起こります。カイちゃんは2年ほど前に右の前十字靭帯の断裂を起こしました。今回は、左の前十字靭帯を断裂しました。
![正常な膝関節](https://www.yuuah.com/wpblog_assets/9ec266ff8817d4255d66b3ce3affac83.jpg)
正常な膝関節
![前十字靭帯断裂時](https://www.yuuah.com/wpblog_assets/967bd12b4eb0017bd0078d2380933458.jpg)
前十字靭帯断裂時
赤いラインが脛骨高平部角(TPA)で、通常は25°前後のワンちゃんが多いようです。この角度が大きくなると、前十字靭帯断裂のリスクが高くなるとも言われています。前十字靭帯断裂でTPAが大きい場合は、TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)という手術方法が術後経過が良いと報告されています。
カイちゃんはTPAが34°でしたので、TPLOを行いました。脛骨近位部を骨切りし、TPAを6°の角度にして特殊なプレートで固定します。TPAを6°前後に変更することで、脛骨の前方変位が起こらなくなり、膝の安定性が得られ早期に足を使うことが出来るようになります。
![TPA34°](https://www.yuuah.com/wpblog_assets/91e45689bbd20221cd5727bc13cd58ba.jpg)
TPA34°
![手術後側面像](https://www.yuuah.com/wpblog_assets/79a1eb993b9fa88e61853f08b2da2c6c.jpg)
手術後側面像
![手術後正面像](https://www.yuuah.com/wpblog_assets/TPLO-AP.jpg)
手術後正面像