カイちゃん:Mix
症状:前十字靭帯完全断裂
膝の安定性に重要な役割をしている前十字靭帯が断裂すると、下の写真のように大腿骨に対して脛骨の前方変位が起こります。カイちゃんは2年ほど前に右の前十字靭帯の断裂を起こしました。今回は、左の前十字靭帯を断裂しました。
赤いラインが脛骨高平部角(TPA)で、通常は25°前後のワンちゃんが多いようです。この角度が大きくなると、前十字靭帯断裂のリスクが高くなるとも言われています。前十字靭帯断裂でTPAが大きい場合は、TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)という手術方法が術後経過が良いと報告されています。
カイちゃんはTPAが34°でしたので、TPLOを行いました。脛骨近位部を骨切りし、TPAを6°の角度にして特殊なプレートで固定します。TPAを6°前後に変更することで、脛骨の前方変位が起こらなくなり、膝の安定性が得られ早期に足を使うことが出来るようになります。