うたちゃん:トイプードル
うたちゃんは11歳のトイプードルです。
「元気も食欲もなく、吐いている。フラフラしている。」と当院に来院されました。
血液検査をして、血小板の減少が認められました。
また、血液凝固系検査でも異常が認められました。
即日入院し、注射や内服薬の治療を開始しました。
入院3日目から食欲が出て、血液検査の数値も改善の兆しが出てきました。
症状が安定してきたので退院とし、その後、血小板の数値が安定するのに約2週間かかりました。
薬を徐々に減薬し、3カ月経った今もお家で元気に過ごしています。
うたちゃんのかかった病気は「免疫介在性血小板減少症」という名称です。
血小板は血液中に存在し、止血をするために必要な細胞です。
その血小板の免疫学的破壊が過剰になることで、血小板減少症を呈します。
治療の中心は免疫抑制療法です。
速やかに血小板数が回復すれば予後は良いことが多いです。
しかしながら、胃腸や脳での出血など、致死的な出血を起こすこともあります。
治療の効果が出ているワンちゃんでも再発することがあるので、注意深く経過を見る必要があります。