ポテトちゃん:グレートピレネーズ
ポテトちゃんは3歳のグレートピレネーズです。
夜中に倒れた音がした、と当院に来院した時にはすでに意識がなく、横になったままの状態でした。
鼻血や血尿、皮下出血などが認められ、DIC(播種性血管内凝固)というとても重篤な状態でした。
「DIC」とは、基礎疾患に併発し、全身に凝固活性化が起こり微小血管内に血栓を過剰に形成する病態です。
DICを引き起こす病気として、感染症・がん・熱中症・膵炎・ショックなどがあります。
判断基準は血液検査を行い、下記6項目のうち4項目が異常値でDICと診断します。
①APTT延長
②PT延長
③フィブリノゲン減少
④FDP増加
⑤アンチトロンビン活性の低下
⑥血小板減少
ポテトちゃんはこのうち5項目で異常が認められました。
また、DICの基礎疾患として腸イレウスだと考えられたため、すぐに開腹手術を行いました。
↓手術後のお腹の写真:皮下出血が認められます
さらに輸血・点滴などの治療を行い、幸いにも4日目には食事が食べれる状態に回復してくれました。
その後も日ごとに調子が上向きで、10日目頃にいつものお散歩もできるほどになりました。
↓抜糸後のお腹の写真
お腹の皮下出血も改善しました。
後遺症もなく元気になってくれて、本当に良かったです。