小鉄ちゃん:トラ猫 巨大結腸症
巨大結腸症は猫に見られる頑固な便秘と結腸の拡張を起こす疾患です。骨盤骨折により骨盤腔が狭くなって起こるものと骨盤腔の狭小化を伴わず、結腸の機能の低下により起こるものがあります。小鉄ちゃんは後者の結腸の機能低下により、結腸内に糞が停滞し、そのため結腸が拡張して排便が困難な状態になりました。巨大結腸症は内科治療に反応しないケースが多く、外科処置をしないと定期的な浣腸や手指による掻き出しが必要となります。
結腸の機能低下により起こる巨大結腸症は、結腸を部分的に摘出する結腸亜全摘術により良好な成績が得られると報告されています。小鉄ちゃんもとこの手術を行い、盲腸を温存して結腸の近位と遠位を吻合しました。便秘は改善し、排便時の力みもなくなりました。